2010年1月:或る日突然GTR(R32)に乗る機会が巡ってきた。

あれは昨年末の事である。
奇しくも駅前鍋を予定していた夜の出来事である。

昔なら厚かましくも、鍵貸して!運転させて!な〜んて言ってどこかの電柱にぶつけてしまっていたと思う。

まぁ人間を長くやっていると少しはまともになってくる。

ほぼ泥酔に近い状態だったので取り敢えず助手席に乗せてもらう。

GTRと言ってもあのR32である。

昔なら絶対自分から乗り込むことの無かった車である。

年月は人を劣化させるのに十分である。


R32-GTRというと『キリン』でチョースケが拘っていたクルマである。

R32-GTRが出て来るまでは絶対にバイクの方がクルマより速かったのである。

R32の以前と以後で世界は変わってしまったのである。

 

週が明けたらまた別の場所でGTRを見た。

もしかしたらGTRもどきかもしれないが・・・R33ぽい
でも全然オーラを感じることは出来なかった。

 

その少し先にR35があった。

威圧感はあったが、それはクルマとしての威圧感ではなく
定価777万円というカタログ価格の威圧感であった。
こんなデフレスパイラルで貧苦に挙句時代の777万円である。

 

年が明けた。

新年会の3次会が終わって駅前を歩いているとR32が止まっていた。

馬車馬車と写真を撮っているとどこからかひょろひょろとした兄ちゃんが飛んできた。

適当にR32を褒めていると兄ちゃんはへらへらしてきた。

「お前を褒めているわけぢゃあないのだが・・・それに俺はこんなクルマ大嫌いやんけ」と思いながら
馬鹿話を続ける。
R32が出た頃にきっと生まれた連中なんだろう。

色々とむかついていたので兄ちゃんが絡んできたらゴネテやろうと思ったが、
その反対の態度に出てしまった。それもこれも危険回避的な本能である。

兄ちゃんともう少し話をしたかったが、
膀胱が破裂しそうだったのですぐ近くのコンビニに飛び込み放尿した。
街が凍えていた夜の出来事である。