Ekimaerindo

"喜劇！駅前林道"単車偏屈者遍歴

英蟯虫：川崎Z400FX(フェックス)

これは高槻君のフェックス。
　私の場合、紀州から金沢に移動するのに阪和線、環状線、そして雷鳥号を乗り継いで行くしか
無かったが、高槻君は雪解けとともに日本海側をフェックスで走り金沢にやってきた。
　高槻君はバイク乗りとしてはすでに熟成されていた。バイクに乗り始めた頃の一年というのは
途轍もない差がある。大半が原付免許くらいしか持っていなかったあの当時、高槻君は大人
だった。電柱から電柱までのたった数百メートルだけだったがあのフェックスに乗せてもらい
人生が変わってしまった。ヨシムラの直管、重いクラッチ・・・無骨なフェックスのデザインは
一瞬でバイクの虜にされてしまった。当時バイクなどせいぜい原付(通常の足)くらいの認識で
しかなかったはずなので、ぢゃあ何が楽しみだったのか？と自問自答すると、
やはり異性、つまりおねぇちゃんしかなかったのでは？と思う。しかし現実はそんなに
甘くなく、またバイクにのめり込むのにそんなに時間はかからなかった。
　無免許で高槻君のフェックスに乗ったあの日・・・あの時、ある決意をしたのであった。