"喜劇!駅前林道"単車偏屈者遍歴



英蟯虫:HD XLH1000  :「ノルゥエーの林」より抜粋

梅田だったか横浜だったかは忘れたが気晴らしにハリウッドの単純な映画が見たくなって映画館に出掛けた。丁度、アーノルド・シュワルツネッガー主演の「ターミネーター2」が上映されていた。単純な僕は映画館を出てすぐにハーレー・デイビッドソンを探し始めた。翌週の木曜日、無理に定時で絶望劇場を脱出して川西市にある小森モータースへ行った。木曜日は定休日なのだが実はバイクの買い付けの日でもあった。小森のおっちゃんは丁度買い付けから店に戻ったところだった。偶然、本当に偶然だったが、AMF時代の希少なショベル・ヘッドを積んだ青い1000のスポーツ・スターがその日のおっちゃんの収穫だった。僕は他の客がやって来る前に急いで話を始めた。交渉の結果その青いスポーツ・スターは僕の所へやって来る事になった。そのスポーツ・スターはアクセル操作が難しくて、プラグはすぐにかぶるし、ブレーキは重くて効かないし、とにかく問題だらけだったがそんなものを全てのさっ引いても国産のバイクには無い魅力があった。エンジンの状態に合わせてアクセルを開けやると暴力的なトルクで加速した。国産の高性能に進化した直列4気筒のエンジンは電気モーターみたいにアクセルを握った右手に忠実に反応してくれるが、この僕のスポーツ・スターはエンジンの調子にアクセルを合わせてやらないと全然走らなかった。僕は右手に忠実な国産のバイクと、工業製品としては欠陥製品とも言えるこのミルウォーキー生まれのハーレーとを比べると、その違いは自慰行為と性交行為の違いだという結論に達した。どちらが気持ちいいかというと、それは勿論時と場合による。年末年始スポーツ・スターで走りにも行きたかったが、鬱陵島に行く事にした。  


この画像は他のメンバー:
やはりスポーツ・スターには痩身のライダーが良く似合う。

 
        

     


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