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 煩悩と寅 '98 北海道の記録 編集後記 

 北の島に初めて上陸してからもう2週間が経ちました。 
あっと言う間の旅でしたが、食わず嫌いが一変してあの島が好きになったのは、 言うもまでも無い。
色々な人間と出会い、話し、土地土地の食い物を食し、もうこの十年以上忘れていた単車旅の本当の面白さを再発見した次第。
やはり北海道は「単車乗り」の楽園でした。
例え悪天候の中走った、苦しい、恐い思い出も、また振り返れば良い思い出になる事は言うまでも無いね。 

北海道の第一印象はやはり、車の流れの速さ。 
道がどんな国道、道道であっても1車線が本州の道幅の1.5倍はある。厳冬、積雪と言う厳しい気候条件下でも車が唯一の交通手段である事を考えれば、これまた普通の事なのかもしれないが、あの広い道の走りやすさには助けられた。
地元の車は平均100〜120Km/hで流れているので、無理に追い越しを掛ける必要も無く、また単車で先行する車に追いついても殆どの車は左に避けてくれる為に、ストレスは全く溜まらない。
あと、どんな田舎道でも道道クラスなら本州の様に1車線の山道と言うのが無いのは逆に驚き。
人口密度が少ない為に、人の住んでいない山中に無理に生活道路を作る必要が無いからでしょうが、、。 

道北・道南・道東・道央その全てに独特の風景があって、これもまた忘れられない印象の一つ。
中でも私の好きなのはやはり道北。
何も人工物の無い荒涼としたサロベツ原野などは、走っていてただキョロキョロと無駄に何かを見つけようと見回したモノ。
何もないから素晴らしいと言う事に気付くまでちょっと時間が掛かりましたが、、、。
こんなせせこましい日本の国にも、あんな広々とした原野があるなんて、行ってみて初めて解った次第。
〇〇君も道北が好きだそうで「反省会」でも話題になりましたな。
あそこを走っている時は頭の中でまず世界地図を思い描き、その中の日本列島、北海道、宗谷地方、その中の一本の細い線の上をいま自分が走っているのだと思い浮かべてました。
そうする事で今自分がどの位置に居るかを楽しんでいた。
残念だったのが曇っていて利尻富士が全く見えなかった事で、行く先々でも皆、会う人はその事を悔やんでました。
次回機会があれば、今度は是非とも見てみたいモノです。 

今回は雨量が多かったが、晴れた日に限って言えば乾燥していて、酷暑にならないのも走りやすくて快適でしたね。最高気温でも上陸2日目のニセコの26℃で無いか。逆に雨の日は寒くて寒くてどうしようも無かったのは、今後の課題ですが。

 ところで野宿の話は、平均さんから質問を頂いていたのでそれに沿って、、。 

>ところでところで貴兄の夕食は結構豪勢に映るんやけど「しゃぶしゃぶ」はライダー
 >の間では定番メニューなんでっか。自テント前で炊事するんでっしゃろか。昔の西 
>部劇の映画のように馬の横でたき火をして簡単な料理とコーヒーを作ってその後眠
 >りにつくなんてシーンはないんやろうね。小生は勝手にそんなん想像してました。

 「シャブシャブ」は一般的には定番メニューではありまへんが、昨年〇〇君と猪苗代に行った時、生来のズボラから食器を洗うのが面倒なんで考え出したメニュー。
湯を沸かして肉と野菜を放り込むだけで出来るんで、簡単・便利・美味と三拍子そろってま。
自炊は必ずします。
と言うか私の場合、自炊する為に野宿している様なモノ。
基本的に野宿はヒマですから、夜長に延々、酒飲みながら料理するのが、幸せってもんです。
一人の野宿では、一時レトルト物も食っていましたが、最近は一人でも出来る限り肉、サカナ、野菜を買うようにしてます。
ただどうしても酒の肴になってしまうのは仕方ありまへんな。
本来はナベが好きですが、大人数で行った時位しか出来ないんで、、、。
たき火は冬はしますが、一人の時はあまりしまへん。また飲みながら眠りにつく事もしばしばあります。
登山の野宿でそんな事やったら 即、あの世行きですが、、、。 

>テント村というのはいわゆるオートキャンプ場の事なんでっか。これも小生は雑誌 
>でどこかのを見ただけなので、北海道がどんなんかはわからんのやけど。花見やな
 >いけれど、結構葉の生い茂った木が寄り添って立っていて、ライダーはその木の下 
>で雨風を凌げ、満天の星空はないにしても朝は木漏れ日で目覚める、なんて光景を 
>想像しても日本中探してもそんなところは無いんかな?。(レポートでは結構賑やか 
>そうでんな。) 

オートキャンプ場なんかには泊りまへんが、最近は何処も結果としてオートキャンプ場状態になりつつある様です。
北海道も例外でなく何処もかしこも四駆を乗り付けて、鉄板、イス、テントから果てはカラオケ、テレビまで何でもござれの輩が増えました。
野宿の基本は不便を楽しむ事やと思うんですが、、。
北海道以外の夏のシーズンは駅泊、公民館、駐車場、河原等々あえてキャンプ場を避けて泊るのですが、北海道ではタダでロケーションの良い(湖畔・丘陵他)キャンプ場が多く、また下手に河原なんかでテントを張って熊に食われるのも嫌なので、キャンプ場からキャンプ場と流れてました。
人が居ても全く騒がしくない所もあれば、そうでない所もあります。
今回は稚内は前者でした、富良野や熊石は後者でしたね。 案外、大沼が静かだったのは結構でした。 >走っている間が1人やから夜は人恋しゅうなって騒いだり饒舌になるんでっしゃろか。 

>(1人でいることが孤独だとか寂しいと感じる事自体が理解でき無いんやけど。) 
>ライダーがみんなそうやとは思わへんけど、実際はよく言われる「一握りのアホ」がそ
>うなんやろか。 

一人で走る、一人で泊るのが基本ですが、たまたま近所にテントを張った人と意気投合と言うのは有ります。
昔は本州でもそんな事が多かったのですが、最近は滅多に無いですね、だから北海道は違ってましたね。
何の為に話をするかは、色々あります。
最初はちょっと挨拶したのがきっかけで、情報交換の類になって、単車の話になって、食い物の話になって、そのうち酒が入って、、というのが多いようです。
 話していて面白いのは私のように今回が初めてと言う人、もしくは2、3回目の人が一番面白かったですな。
毎年の様に来ている人の中にはその場を仕切る人間がいたりして、皆が皆ではないし、まあ人其々なんで、何とも言えませんがね。
 最初は私も「そう易々と人と交わるかぁ?」と突っ張っていたのですが、結局青森港から人と話してました。
また騒ぎまわるのは単車乗りの中にも若干は居ましたが、全体的には四駆なりで乗り付けた、ファミリーキャンパーが圧倒的に多いですな。
単車乗っている奴は走り疲れて泊っている奴が多いので、元々一人で来ている奴が多いですしね、、、。 

まだまだ話は尽きませんが、今回はこの位にして。 
早くも来夏の事を考えてしまいそうな、この頃です。 

98夏 煩悩 with 寅 in 北海道 全記録 編集後記 by 煩悩




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