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英蟯虫:2003:


Date 2003/6/15.

■一日じゅう絵を見ていた■



Joe Melendez "Mexican Revolution" Pencil 21"x18"
(c)2003 Courtesy Marcus Gallery
     


  

■一日じゅう絵を見ていた■

  *まずタイトルは【一日じゅう空を見ていた】片岡義男のパクリです。

 あの妖怪変化の夜からずっと不快な気分が続いているので、それを中和するために下道巡りの旅に出た。
 その下道の行き止まりのどんつきで、ある画廊にぶち当たった。
 誘われる様にその画廊に迷い込んだ。

 画廊の名前はHal Marcus Galleryと言った。
    ↓  ↓
 http://www.halmarcus.com

 

 丁度、”メキシコ革命”にまつわる絵画展示の期間中であった。

 

 この画廊は階段とい言わず壁と言わずあらゆる空間が絵画で覆われていた。
”余白”というものに味わいを求める国の人間としては少し食傷気味に
なるのであった。
しかしその”余白”というものがあってもなくても、この手の画廊や美術館・博物館では
すぐに頭の中が飽和してしまい、ただただ混乱と疲労が残るだけの
ここ十年なのであまり大差はなかった。

 この画廊では特にこれと言った強烈な絵は無かった。

 ただパンフレットにあったTom Darrahの原画を見たかったがそれらは無く
別の絵画が展示されてあった。

 
【中略】

Francisco Romeroの”Fat Frida”の原画を見ることが出来た。

”Fat Frida”


 この地域一帯で見ることの出来る絵画は技法的な面では稚拙な絵が多いが
その色使いはやはり独特のものが多く感心させられる。
 
 素人の私が絵画の技法云々に言及するのはおこがましいが、玄人やらも
同じ意見を持つに違いないという確信はある。
 ただ、技法云々という話の世界とは違う、絵を描くという原初的な意味なり意義がその色使いから
滲み出ている絵が多いのも事実である。そういう絵は見ていて楽しい。


 人は何故絵を描くのか?という事を呆けた頭で考えながらそれらの一日じゅう見ていた。

 

 


【参考文献】

  メキシコの歴史   : 国本伊代  :  新評論
  熊谷守一画文集「ひとりたのしむ」 : 熊谷守一 : 求龍堂
  へたも絵のうち   : 熊谷守一  :  平凡社
  


     
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